2013年12月26日

マラソン中継初仕事

某国営放送でマラソン中継仕事に関わる機会を得た。

ただ楽しむ為だけにバイクに乗ることに飽き足らず、”仕事”としてバイクに乗ることに情熱を傾けているけれど、また一歩新たな世界を見たという気持ちである。

とにかく当たり前だが意識するのは視聴者であること。これが大前提のもとに放送は進んでゆく。
バイクももちろんその一環として動く。
こういう絵が欲しい。だからカメラバイクはこう動く。選手を後ろから撮ることによって前方選手との距離感がでる。前方から撮ることによって今度は後方選手との臨場感がでる。
後ろから追い上げて撮ることによって今度は、これぐらい離れているんですよ、と見せることができる。
それを定点カメラやヘリの映像などをスイッチすることによってあの我々がみている画面になる。
実況、解説が加わり、レポーターがしゃべる。
数十人規模の部隊がいくつもある。規模は100人を超える。
いやはやである。

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バイクはそういったカメラマンやイヤホンから聞こえるオーダーを聞き自分の位置取りを決める。もちろん一番気を付けるのは選手の動きだ。
自転車と違いスピードはせいぜい20キロ。ゆっくりだからこそ選手のインアウトの位置取りはシビアだし、気が付くと真後ろに居たりするのが怖い。
自転車ではよく聞く選手と車両との接触事故。でもマラソンでそれは絶対にNGだ。なにせ中継だし、事故イコール選手の大怪我につながる。
目の前にはモニター画面がありオンエア画像とバックモニター画面を見ることができる。これはリアに放送機材を積んでいるために後ろの視界を確保するためだ。もちろんミラーは増設されて4つ。これでも死角ができる。万全を期しているのだが正直ここまでやらずとも、とも思うけれど。
そのうえタンデムする。

これらの情報もこのあたりが限界かと思う。詳細はここには書けないので大枠の情報のみになってしまうがバイクは今回は中型であった。大型も今回出ているがそれは機動性が求められる位置のバイクのみだ。

バイクに乗る。ということにマインドマップを書いてこの仕事までたどり着いた。という実感。
テレビの絵の動きを勉強するという宿題が出来た。
それからバイクの取り回しの練習。センスタがけの練習。もっともこれらは素のバイクでしか練習はできないが。(仕事中はコケるということは放送機材の破損を意味するので絶対にコケられない)
そうなると素のままでも重い四発の大型ツアラーを自バイとして購入しようかという気持ちになっている。日常的に大型に慣れておくということで。
それから、もちろんだが、これら放送機材を積んでタンデムをするとかなり重い。ざっと150キロはプラスかな。タイヤの段減り、フレームの歪み、が出るようだ。

今シーズンはまだ終わってないけれど今後に多くの課題を残した初中継仕事だったなあ。
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2013年11月17日

職業ライダーの青写真

僕のイメージはどこだろうと考えていると十代後半の頃にさかのぼる。
それは欧州のどこかのマラソンの先頭集団を撮った写真。沿道には多くの観戦者。秋深く葉が紅葉した石畳の街道を、ランナーが走る。その横にはBMWと思える大型ツアラーバイクが帆走する。この写真が手元にあるわけではないし、なんの大会かもわからない。けれど僕の頭にはこの写真がしばらくずっと焼き付いている。そう、20年以上も、だ。

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この写真ではないけれどロンドンのマラソンの風景

そういう世界とはまったく違う職業にいた時でもずっと頭にあった。頭の片隅にあるからよく出てくるのだ。思い出す。でもそれが今生業になっているというのがとても驚くことなんだ。当時のその写真がまさに自分がやっていることなのだから。
職業ライダーですね、とは言われることがある。日本だとこの職業が活躍できる範囲はぐっと狭いけれど、海外の特に欧州のそれは多くの選択肢が存在する。
自転車のモトコミッセール、ムービーモト、スチールモト、マーシャルモト、パリで有名なモトタクシー、イギリスのヴァージンリモ、ドイツにはツアーモトガイドなんて仕事も。そのほか警備会社のセキュリティーモト、これなどは近年のマラソンの国際大会のテロに備えて有名選手の警護などで活躍している。警察車両であることもあるだろう。そのほか、重量物車両の公道運搬の際に出動などというスペインの警備会社もある。
そこで活躍するオートバイを僕は選んで自分のバイクにしていると言ってもよい。そうすると結果的には欧州車にはなっていくのだが、近年では日本車も存在してきいる。ツールドフランスはKawasakiだし、ジロデイタリアはYamahaがスポンサーだ。日本のツアーオブジャパン、通称TOJはYamahaがスポンサーだ。東京マラソンはBMWだし(先の大会でスポンサーのBMWモトは出ていなかったようだが我が社所有BMWがプレス車両として参加)

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BMWに囲まれる 自転車レースのパリ~ルーベ


今僕は報道系のオートバイ会社に居る。欧州の職業オートバイを見たい気持ちは常にある。というかそれが僕の発端であるから。二輪の職業認知、二輪の業種の開拓など考えていることは多くある。これから10年、オリンピックを含めたこの期間をじっくり過ごし次につなげられたらと思っている。
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2013年11月03日

自転車シーズン間もなく終了

ツールド北海道の後、東京国体のロードレースのメディアモトでの執務。
あれから数か月が経つがこの時のカメラモトの経験は今後の自分に大きな経験値となるだろう。特にラスト2キロあたりからは一人で逃げる窪木選手を旧道のトンネル区間が相次ぐワインディングでもう一台のムービーモト、それにコミッセールモトと追いかけるという場面。うしろからはマヴィックカーが。自分的にあの場面は必死。どちらもいい絵を撮ろうと思うのでなおさらポジション取りに必死になる。

未公開のまま思い起こすままに書いては保存の繰り返しで上記からすでに1か月以上経つ。
そして、
タイトル通り自転車シーズンは間もなく終了する。
いくつかのホビーレースのマーシャルモトを経て終了だ。
モトが入り込む余地のある種類について追記を:
ホビーレースと競技としてのレース、それから国際レース、いわゆるUCIレースなどがある。
主にサーキットコースを使ってエンデューロという名称で行われるサイクルレースのマーシャルモト。
コース全般の安全管理=ニュートラルとも言う。
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や、
各カテゴリーの混走レースとなった場合はそれぞれの先頭と最後尾を見分けるためのモト。
基本、レース中は常にモトがコース内を走行している為休憩要員として上記人数以上のモト要員がホビーレースには必要になってくる。もちろんそれは主催者により人員やモトの働きなどは変動する
など。
それから競技としてのレースは、実業団等が挙げられる。ホビーレースの役割のモトに加えレース状況を伝えるインフォメーションモトや審判車両としてのコミッセールモト、広報としてのムービー、スチールの各モト、などが主なオートバイの仕事。
国際レース、UCIレースになってくると上記の競技レースがより格式をもったものになり、モトもそれに準じてくる。コミッセールモト、インフォメーションモトがそれぞれ複数台、共通機材車として代表的なマヴィックモトが数台、広報としてのメディアモトが数台などだ。
先日のツールドフランス埼玉クリテリウムには本国フランス主催者ASOよりモト要員が来日。先導モトがいたとの情報。全世界中継されたムービーモトも向こうから。車種はバラデロ。渋い!

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そのツールドフランスではメディアモトだけでも数十台が随行らしい。それらを競技中いわゆる邪魔にならぬようにコントロールするモトもいるのだとか。それからドクターの乗るメディカルモト、各種スポンサーと提携したドリンク供給モトなどなど、その多種さはさすがサイクルロードレースの最高峰ツールドフランスならではといったところだ。
posted by dan at 17:25| 日記 | 更新情報をチェックする